青蔵鉄道とラサ、北京の旅・メモ
2007年9月24日
9月1日(土) 5:30目覚まし、6:30タクシー、リムジン・六甲id~関空 7:03~8:00。
北京で東西がそろったツアー一行21名はこちらと同年齢が多い。添乗員は大島優美子さん。
関空~北京 CA162 10:00~12:10
北京~西寧 CZ6992 18:00~20:30
西寧 シーニン 2,275m 泊・Jian Yin Hotel 建銀賓館
西寧空港よりバス(迎えた日本語の堪能ガイドの洪さんが一人一人に白いサテンを首にかけてくれる)、
高速道路で坂道を上ってホテルへ。鉄道開通後、日本人観光客は10倍になったという。
9月2日(日) 西寧市内2,275m ~日月山峠3,510m
~青海湖3,200m ~木象皮山峠3,817m
18:00着 チャカ(茶上下鎮)3,300m 泊・SaltLake Hotel 塩湖賓館
6:30目覚ましコール7:30荷物出し8:30出発。以後ほとんどこういう予定で進行する。
西寧は建物も広場も、ほとんどここ10年の新開発の街。ホテル高層で中央広場の前、あいにくの雨。まず西寧博物館(トヨタの援助)絨緞古いものはいい。前の広場で老人たちが踊っているが、そのただ広いだけの空間はどうも落ち着かない。随所に工事中、それぞれが描く現代のデザインが不調和に並んでいる。
9:30出発、すぐに荒地が広がり一気に地の果て。天候も悪く、日月山峠は風がきつい、チョルタン(ロープに結びつけた細長い色布)が音をたてている。ここからがチベット、嫁入りした唐の皇女が涙したという。それを記念する祠があるが、壁画は見事。そして青海省の名前になっている青海湖(山梨県と同じ広さ)、昼食はパオの食堂、あいにくの曇天で青くはないが、水面が草原に続く湖畔はじゅうぶんに美しい。馬が遊んでいる写真を撮っていると、やってきたおじさんが民謡を歌いながら踊ってみせてくれた。両手を広げる仕草がなんともチベットだ。さらに高い峠を越えて7℃、ますます荒涼の地、下りのスピードに気分が悪くなり到着と同時にはいてしまう。これは高山病かとおそれたが単なるバス酔いだったらしい。最後尾を同情されたのか、翌日からバスの席を平等にするため毎日移動することになる。ツアーならではのマナーだと感心する。ホテル到着19:30時、走行315km。足を洗っただけで21:00就寝、翌6:30までぐっすり。
9月3日(月) チャカ塩湖 チャカ ~ツァイダム盆地
ゴルムド(格 木)2,800m 泊・Tian Long Hotel 天龍酒店
朝から雨、塩湖の見物は中止になり、ホテルで塩を購入(これが唯一のお土産になった)。雨風の中を行くが、峠を越えると嘘のように晴天。昼食はお弁当、予定より早く17:30到着。走行500km。
夕食後、通りを散歩、サボテンの街路樹と思ったらプラスチック製でびっくり。通りの広い歩道で、男たちが玉突きやチェス、お母さんが子どもをあやしている。スーパーと文具店をのぞく、絵はがきはない。夕日が輝いたまま落ちていく。(バスの運転手さんは明日、西寧まで800kmを帰るという、何処も仕事は大変だ)
9月4日(火)08:46発 N919列車[青蔵鉄道] 15時間、1,150km
崑崙山峠4,767m ~タングラ唐古拉峠5,072m
~トーヤ惜那湖4590m ~テンセイタングラ山7,162m
23:00着 ラサ3,600m 泊・Lhasa Hotel 拉薩飯店
6:30起床、朝食時ゆで卵、バナナ、梨など食料を確保。ゴルムドの駅で列車の到着を待つ、到着しないと改札はしないという仕組み、停車時間は20分。到着、各自荷物を持ってホームを走る、指定の車両でなく増結の車両、なんとわれ等と香港グループのみ。最初はつめて座るが空きを取ろうと皆さん一斉に移動、こちらは6人席に2人残される。結局ラサまでの15時間をそれで過ごす。後に車内探検をしたが、3段ベッドの2等寝台、2段ベッドの1等寝台よりも硬座(3人+2人の新幹線式)が両側を眺めるには最適、ゆったりしているのだから特別1等だった。(西寧からは26時間、北京から2泊の人もいるとのこと)
車窓はテレビで見た通り。畑が牧草地になり荒野になり、大きく迂回しながら、つまり遠くにこれから通るレールを望みながら上って行く。鉄道周囲に格子の石組み、砂よけとのこと。植林は水遣りがむつかしそう。川は雪解けの今がもっとも水量が多いとのこと、長江、黄河の水源地域とのこと。昼と夕は食堂車、メニューは同じ6~7皿を取り分ける、言われれば火熱が弱いようだ。車内販売のスイカを求める。ココシリ自然地区、丘陵は温暖化で薄い草の緑、野生のカモシカ、ロバ、馬などがいて歓声をあげて見る。15:40分最高地点の峠を通過、高度計や駅名の表示は撮れず(テレビでは停まっていたが、高山病を防ぐためか?速度はむしろアップ)。世界一の高さの淡水湖は美しく、7,000mの山は水晶のように崇高だった。20:30だんだん無彩色に、そして雨。そしてラサ到着、車内で写真を撮らせてもらったチベットの人たちと挨拶をして別れる。巨大な駅舎は撮る気になれず。ガイドはドルチェさん男性、丸覚えの挨拶がおかしい。
9月5日(水)ラサ 博物館~ポタラ宮
(皆さんは、ジョカン大昭寺~八角街~蔵病院 など)
ラサ泊・Lhasa Hotel 拉薩飯店
9:30出発、博物館、音声ガイドを聞くうちに中国政府が建設したことを感じる、ショップで本を求める。
青い空白い雲のポタラ宮前の広場で記念撮影をしてから、ポタラ宮へ12:00~13:00(見学が多いため時間限定)。上り坂がしんどく最後尾遅れる。中央の建物は見た目以上に奥行きがあって、全体が曼荼羅になっている。仏像、壁画ともに見事。ドルチェさんの説明は、昨日とはまるで違って熱心(これは別記)。
Hさんが頭痛で皆さんと別れてホテルへ。昼食、休んでから、チベット医学の病院薬局?何とかわかって薬を購入。そして中心部へ、町を歩く。レンガ造3階建て、入り組んだ路地が迷路のよう。回教の寺もあって、やがて商店街。大昭寺前の広場を見下ろすテラスでお茶、その近くの店でダルのスープと野菜カレーにナン、観光客向けだが素朴な味、ここでは西欧の人が目立つ。ゆったりとした時間を満喫して満足する。
9月6日(木)ラサ (皆さんはノルブリンカ宮殿~セラ寺~
デブン寺~アニ・ツァング寺 など)
ラサ泊・Lhasa Hotel 拉薩飯店
今日も皆さんとは別の行動。ノートの整理をして、11:00リキシャで中心部へ、その低速視界がうれしい。ポタラ宮前で写真、昨日入らなかったジョカン(大昭寺)、前で大勢の人が五体投地の礼拝中。ここも建物全体が曼荼羅形状、大勢の人が行列して仏様を拝んでいる(巡礼のよう)。2階テラスに並んだライオン?がユーモラス、採光の仕方も見事。さらに屋外の2~3層の回廊、はるかにポタラ宮。14:00お寺前の広場を望む屋上で昼食一服(観光客向けにあちこちある)、さらに市内を歩く。飾り金歯をつける店、羊のいる家、2階建ての市場などなど。木造の高級ホテルのカフェで紅茶。夕食はビスケットと卵を求め、残り物ナンや果物など。21:00添乗の大島さんから連絡、いま帰着とのこと(こういう行程について行かなくてよかった)。
9月7日(金) ラサ~カンパ・ラ峠4,749m~ヤムドゥク湖4,250m
16:00着 ツェタン3,400m ~サムイェ桑那寺
ツェタン泊・Zedang Hotel 澤当飯店
08:00出発またツアーの一員に。ラサ郊外に解放軍?兵舎1万人と空港などがある、バスの運転手さんはそこの出身の元パイロット。さらにラサ空港前を通過。ラサ川そしてガンジス上流というヤノンチャンプー川に添って走る、河川敷まで満水。やがて峠にかかるがここ数日の雨で土砂崩れ、その修復中の箇所をトラクターの助けを借りて通過。川岸から一気に登る峠の眺めは霧がなければ見事。反対側には湖、沢山のバスが停まっている。こちらは湖畔まで下って、お昼の休み。だが雨模様で寒い。商売の人がヤクなどを連れて走って来る。帰り、工事の場所は渋滞中。トラックが1台、土砂にタイヤを取られていた。なんとか通過して、川沿いの道をツェタンへ。到着後、対岸の寺に行くことに、峠を越えて大変だったが、文化革命を逃れた7世紀の寺はお堂など崩れかかっているが、建物は3層の曼荼羅構造、仏像壁画は見事で、来た甲斐があった。暗い中、持参の懐中電灯が役に立った。俗化したポタラや大昭寺にはない本来の姿を感じさせてくれた。
20:00ホテル帰着、夕食はこれまでと違っていて満足。22:00やっと部屋に。
9月8日(土) 9:00発~ユムブ・ラカン ~タントゥク昌珠寺
山の上にある最初の宮殿に、10元を払って馬に乗って登る。小さな3層の建物は、構造がこれまでの寺の原型を感じさせてくれた。後背にチョルタンがたなびき紙銭をまいて無事を祈る。昌珠寺は崩壊寸前、建設の7世紀頃には周囲に森林があったことを感じさせてくれる。タンカ(布製掛け画)に刺繍使いの見事なデザイン、暗い中の仁王像、男女交歓像は迫力があった。そして民家を訪問、高い土塀に囲まれた中庭にテラス付の住まい。母は出稼ぎ(現金収入?で設備は豊か)で、祖母、曽祖母、幼い子どもが迎えてくれた。
昼食はお粥と料理。ラサ空港へ向かう、14:30到着。
CA4111便 ラサ~北京
16:30~(成都経由18:00~19:30)~ 21:30
北京泊・Sind Swiss Hotel 国都大飯店
定刻無事に北京空港に到着(遅れることが多いらしく、翌日になることもあるらしい)、バスでホテルに。大都市に帰った感じがしてホッとする。平地のためか大都市のためか、空気が濃密な感じがする。ゆっくりと入浴。NHKテレビが映る。
9.9月9日(日) [皆さんは、北京~関空CA927 09:20~13:55で帰国]*こちらはホテル移動
北京泊1・Zhu Yuan bin guan 竹園賓館
7:00出発の皆さんをロビーで送る。ありがとうございました。朝食、部屋で昼までゆっくり。
12:30の無料バスで市内へ。タクシーで旅館へ27元、14:00無事到着(部屋は窓のない小密室、明日からの部屋替えを頼む)一休み後、遅い昼食は近くのまんじゅう屋(うまい)。ともかく天安門広場へと。地下鉄3元、混んでいてつり革を持っていると、なんと前の中年の男性が席をゆずってくれる。(翌日も、今度は若いお嬢さんがそうしてくれた)髪型と体つきが、典型的な老人スタイル?なのか。それにしてもショック!!
前門から大きな広場を歩く。天安門上階へ(15元、クローク4元)、広場へ手をふってみる。共和国歴史の写真。背後の故宮を望む、降りて隣駅、ワンフーテン王府天まで歩く。途中の柳並木のベンチで休む。人でいっぱい。商店街は大改造中、小さな路地は壊され古い店は改造。屋台がずらりと並んだ壮観な通りがある。雲南のビーフンに台湾の魚ダンゴ入り、たこ焼き風ダンゴ、どちらもうまく満足。広場でお茶をして引き上げる。オリンピック記念品の店でTシャツ。シャワーを浴び、22:00ベッドに倒れこむ。
10.9月10日(月) 北京観光
北京泊2・Zhu Yuan bin guan 竹園賓館
6:00目覚め 7:15朝食はテラス、庭が広いので散歩、竹林のトンネルあり。9:00出発、地下鉄で天安門そして故宮博物院へ60元、日本語ガイドイヤホーン40元に預かり料100元(返却時に返してくれる)場所を衛星で追尾して説明する。ゆっくりと移動、改修中の場所が多い。いろんな国の人がいる。中国、ヨーロッパ各国、タイ、韓国など。内廷のカフェで一服(コーヒー20元)、最後に九竜壁。昼食も内部でラーメン20元。
外に出てリキシャで、14:00天壇へ(入場28元、イヤホーン40元、預かり100元)、明の祭紀場。修復が終わったところで美しい。ここも大変な人、団体も多い。屋外のカフェで一休み。出ると反対側に古い住宅街が改修されつつ残っているので歩いてみる。路地の人たちに会釈微笑ながら歩く、木々が影を落として貧しいが落ち着く。広い道の陸橋を渡って中心部方面へのバスに乗る、なんと1元。17:00商店街の東単のマックでコーヒー、よく歩いた。目をうたがう新ブテック街を歩いていると、大食堂(周囲に店がならび中央にテーブル)があったので夕食にする。北京ダック?のセット22元、うまそうと思ったがソースをバサッとかけられてしまった。確かに衛生的ではあるが、昨夜の屋台の方がうまかったと思う。
ホテルに帰ると、部屋は2階の2面に窓のある2人部屋すっかり上機嫌。お湯をはって入浴、22:30就寝。
11.9月11日(火) 北京観光
北京泊3・Zhu Yuan bin guan 竹園賓館
9:00出発、歩いて近くの后海。宋慶齢(孫文夫人、共和国初代名誉国家主席)故居、広い庭の邸宅、住宅部分はとても質素で快適そう。当時の上流階級の知性と教養を感じさせてくれる。ショップで絵はがき。湖畔の道から胡同へ。公開の四合院住居(隣のホテルも)を探すが改修閉鎖中、周囲は古い民家に新しいブテック(観光客相手)。鼓楼へ登る(20元、作業員しか登らないのだから当然だが直行の急階段に驚く)、周囲の胡同には緑が多い。すぐに鐘楼もあり観光バスずらり。遠くはすっかり霞んでいる、スモッグ。もう14:00.
地下鉄で北京都市計画展覧館30元へ、カフェに食べるものなくポテトチップスなど。フロアーいっぱいの大模型があり北京の変貌を見ることができる。ここも大変な人。故宮を中心に広がる都市、北にオリンピック会場。東に超高層ビル群、そこへ行って見る(地下鉄・国貿)、工事中の斜めにのびる超高層の鉄骨(ザハハディッド?リベスキンド?ゲイリー?)離れて山本理顕のビルも。中国の人は、これが自分たちの現在だと信じているようだが、故宮や胡同と切れたところに中国はない。私たちが富士山芸者歌舞伎と切れないように。全部を引き受けるところに文化があるのだが~、高度成長期の日本がそう思えなかったのと同じだろうなぁ、でも丹下にも安藤にも伊東にも妹島にも、秋葉原にも日本ははっきりと見えるのだがなぁ。いやこのスカイクレーパーこそ中国なのだろう、そういえば上海も同じだ。でも宋慶齢の方が好きだなぁ。
王府天のスタバで一息、屋台まで行く元気なく昨日の大食堂で、魚ダンゴ麺とまんじゅうなど。本屋と土産物屋。19:30帰室。CNNテレビはNYテロ6周年の放送、6年前こちらはチェコにいたのだ。
12.9月12日(水) 北京観光
CA161便 北京発 16:20 関空着 20:00
食事7:30、ゆっくりと荷物作り。10:30チェックアウト。荷物を預けて散歩。后海を反対側へ歩く。大きなお茶屋があり、テラスで所望58元、高いがおししい。女主人は日本語ができて話をする。色紙などくださる。歩き方を見ると有名店・茶家傳。その発見がうれしい。12:00荷物を持ち、リムジンバス16元で空港へ。
航空機、日本人のグループはなく、ほとんどが中国人のグループで満席。関空の澄んだ夜景に感激。