旅をしている人
田原 晋

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田原晋のひとり旅

 松下電工が毎年お届けしていた「おもしろ住宅カレンダー」が2007年で終了した。毎年新しく取材した民家の写真を紹介して20年も続いたのだから仕方がないと思う一方で、生みの親のひとりとしてはまた自分に関係するものが消えていった寂しさを消すことはできない。その間、撮影を担当してくださった小松義夫さんが、世界で唯一の民家写真家として認められ出版や展覧会と忙しくしておられる。これからも世界中をまわって家を撮り続けるとのことだ。その影響でこちらも旅はわが人生の一部になっている。

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 ところが毎年このカレンダーをお届けしている方から、小松さんの写真はこれからも見られるが、カレンダーの表紙の文章に会えないとのお手紙をいただいた。実はカレンダーの表紙など最初に破って捨てるものだからと勝手なことを書いていたのだが、それも楽しみにしておられたのだ。せっかくの機会だから、ここにこれまでのものをまとめることにした。
 取りあえず、今年2007年はこんなものでした。

私たちは何も知らない
このカレンダーの写真を見たり、自分で外国を旅してみると、
私はほんとうに何も知らないと気付かされます。
それなのに、日本にいてテレビや新聞を見ていると、なぜか
世界のことはなんとなくわかった気になってしまいます。
米国のことも、回教のことも中国のことだって、
まして日本のことには、自分で意見を述べることができるようになります。
でも、ほんとうにそうなのだろうか。
私にとってこのカレンダーは
何も知らないことに気付かせてくれると、今回もまたそう思ってしまいました。

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