旅遊びの合間に・キッチンの風景、都市の風景
2011年7月26日
キッチンの工事が終わって、レンジと魚焼のレンジが新しくなった。その下の電子レンジとオーブンがあった場所はただの棚になって、これまでレンジの横に置いていた中華鍋とフライパン、これも出しっぱなしだった炊飯器の収納にあてることにした。ちょっとは片付いた感じだが、実際は新しく購入したオーブンレンジ(電子レンジとは言わない)は、店で見たよりはるかに大きくて配膳台のほとんどを占拠してしまった。これまでのオーブントースターも使う訳だから、一気に満員状態。コーヒーやお茶をいれる道具などの置き場にも困ることになった。
新しいオーブンレンジは、立派なクッキングガイドがついてこれまでにない食の世界が広がるとばかりに、沢山のボタンを伴ってカラフルでにぎやかだ。以前と同じ存在を消してくれるビルトイン型は約10万円。購入したこれは約2万円、はるかに安くてお得な商品になっている。だがキッチンの風景は一変してしまった。
その整理を考えていると、この風景は日本の都市に似ているように思えてきた。それぞれのビルがてんでにデザインを競い、看板をかかげて自己を主張する。電柱は消えるどころか、新しい情報線が加わって賑やかだし、看板も忘れられることはない。技術の進歩は、必ずそれを誇示する方向へ機能する。また街路樹は何時も剪定されて、都市の賑やかさを隠すことがない。
この国の技術は、そのようにすべてをプラスする方向で進化していく。結局のところそういう方向を私たちは望んでいるのだろう。