旅をしている人
田原 晋

詳しくはこちら

旅遊びの合間

[ページ開設だから特別のレポート・3 ]

大阪駅前の巨大樹木

大阪駅前の丸ビルに蔦をからませ、巨大な樹木にする。建築家の安藤忠雄さんの提案だ。さすが発想がでかいと、うれしくなった。もう取りかかったのかと、現場をのぞきに行ってみた。

まだ工事前かと思ったら、30cmくらいの植木鉢が並べられテグスが葉の伸びるのを導いている。マンションのテラスの家庭菜園のようだ。どうやら「ま、こんな具合やから、頂上までには20年はかかりますわいな」というジョークだ。こちらはもちろんだが、安藤さんだって20年後があるかどうかわからないのだから、笑っておくしかない。

昨年だったか甲子園球場の改修で、壁の蔦がすべて伐採された。それは巨大な樹木になっていた。建物を緑にすることは、緑と格闘することになる。樹木は、外に見える幹や葉の部分と地下の根っこの部分が半々と考えるのが、常識だ。予想以上に大きくなって、建物が持たないと、切り倒してしまうことになる。甲子園だってその例と言える。とはいえ、今度も蔦を育てるのだと、頑丈な鉄柵が設けられている。

でも世界には、樹木の方が建物を倒してしまった例が少なくない。こちらが見たのは、アンコールワットのお寺のひとつ、そして台南・安平の倉庫。どちらも南方だけあって、緑に勢いがある。特に後者は、根が蛸の足のように建物全体をおおいつくして、屋根の上で緑が勝ちどきを上げている。もちろん人もそれを応援して、根っこを支えたり通路を設けたりして、観光名所にしている。

IMG_0001_1

ところで、せっかくの機会だから、安藤さんお願いがあるの。もう何度も言っていることだけど、御堂筋の銀杏の木、あれをもっと元気な大きいものにしてください。あんな小さく細い、貧相で元気のない並木を大阪のシンボルなんて言うのは、恥ずかしい。周囲のビルのことより、樹木の方が肝心なのだから。それを2倍の高さと太さに育てることができれば、周囲のビルの高さも気にならなくなります。

大阪の人とくに市長さんは、パリの大通りを、いえ東京の表参道を、いえいえ万博公園のプラタナスの並木道ですら、歩いたことがないのかしら?

 

 

コメント(0)
トラックバックURL:https://taharasm.com/20130427221848.html/trackback/

ページトップへ