ブラジルで思ったこと・1 ブラジリアの日本人
2013年12月11日
1.ブラジリアの日本人
近代思想が誕生させた人工都市、そのいちばんのというより世界で唯一の成功例と言える都市。そこにやっと来ることができたと、まずはその中心、三権広場に出掛けた。これまで写真で見た通りの、国会議事堂、大統領府、大蔵省、外務省、最高裁判所などが並んでいる。
その中心の議事堂。柵はなく守衛さんもいないのをいいことに、行けるところまで行ってみようと敷地の中に入って行くことにした。裏手から表にまわると、それは箱庭のように可愛らしく感じられる。通路は2階に水平に届くようになっていて、その3層の建物は大きくはあるが、高くはなくて威圧感はない。他の人たちが歩いていて、こちらも、その人たちについて正門玄関から中に入る。閉会中なのだろうが、そこは国民に開かれている。受付の方たちがどうぞと招きいれてくれる。ここは、あなたたちの場所というようだ。案内所と思ったコーナーは図面や案内のチラシなどはなく、絵はがきを配っていて宛名を書けばどこにでも送りますと言う。自国民へのサービスを、外国人のこちらがはるか日本まで送ってもらうことは申し訳ないと絵はがきだけをもらう。沢山の人と一緒に、ロビーをあちこち眺めて過ごす。さすがにインテリアは豪華だし、置いてある彫刻や絵画は国を代表する一級品だ。歴代の大統領の写真もある。
2時から内部見学ツアーがあるというので、ついて行くことにする。言葉はわからないが、議場(2つとも、傍聴席だけでなく議員席のすぐ隣の記者席まで)、議員ロビー(地階、壁ぎわは天井から光庭で緑が素敵)など。日本では信じられないことだと、この国の民主主義に感心する。
終わってチン入した外国人を詫びて行こうとすると、一人の女性が握手を求めてきた。一緒に写真を撮らせてくれと、何人も何組も、一瞬スターのようになった。どうも日本人は珍しいらしい。そのことに驚く。この国には移民も多く、サンパウロには日本人街もあると言うのに。ブラジルは大きい。
外に出て、夕刻の三権広場で、めったにない経験をしたものだと感謝する。なんとも、思いがけない1日でした。