ブラジルで思ったこと・5 計量式ビュフェ食堂
2013年12月14日
5.計量式ビュフェ料理
今回の旅で、いちばん助かったのはこの方式のレストランがあったことだ。沢山の料理が並んでいて欲しいものを取っていくのだが、最後の支払いをする場所にハカリがあって、その重さによって値段が決まる。ハカリに付いている大きな文字で値段を教えてもらえるし、ちゃんとレシートが出てくるから、客のこちらにありがたいだけでなく、お店の経営にも役立っているのだろう。何より、若い人に比べ食べる量が圧倒的に少ない東洋の老人にとって、これは何よりうれしかった。
お肉も野菜も同じ値段だから変だと言えば変だが、その比率は似たようなものだろうから、それで納得できる。一枚の大皿に、お肉からサラダまで並べるのだが、ここには白いご飯(ピラフ)が必ずあるので、日本にいるのと変わらない食事になる。牛豚鶏のお肉の選び方、添える野菜の取り方と並べ方次第で、おいしそうなプレートが出来上がる。毎日の食事を変化させることも簡単にできた。
飲み物は別料金、パンは無料。デザートは値段の単価が違っていて、別の重りをのせて量っていた。コーヒーはエスプレッソで無料がほとんど、皆さんレジでの支払いを済ました後、横に置いてあるポットから小さな紙コップにいれて飲んでいることが多かった。食事後はみんな上機嫌だから、知らない同士でも声をかけあったりして、楽しい。
オフィイス街に住宅地やショッピングセンター、そして空港や観光地、それぞれに料理の数や質やお値段、並べ方に差があって、それも楽しいものだった。こう書いていると、結構ハイテクなシステムであることに気付くし、それが普及していることに、ブラジルという国の経済発展を感じた。
ただし、開いている時間がよくわからない。どうも昼食だけで、夕方には閉まってしまうお店が多かった。とはいえ、正午に開ける店もあれば、閉めるお店もあったから、ほんとうにわからない。
ともかく、この方式は高齢社会にふさわしい。日本でもぜひ取り入れて欲しい。同じようだが、よくあるバイキング方式(日本だけの言い方?)は、若い人に比べて圧倒的に損だという気がして、足が遠くなってしまう。料理の皿を取っていく社員食堂のようなやり方は皿が増えて重たくなるし、なにより美しくない。お値段も計算してもらうまで、わからない。ブラジルでは、長距離バスの休憩所にこの方式があった。
今回こちらが利用した中で、いちばんおいしかった観光地の小さなレストラン。ご夫婦でやっていて伝統的な家庭料理のメニューと味が再現されているように思った。昼食で大満足して、夕食を楽しみにまた出かけたら、もう閉まっていた。それを写真で紹介する。
*主人の前にはかりがあって、重さをはかって料金を支払う。
*料理の下にはお湯がはってあって、それで冷えないようにしていると言う。