旅の前に・3 SANAA設計の岡山大学Jホール、Jテラス
2014年7月1日
旅の前に・3 SANAA設計の岡山大学Jホール、Jテラス
旅の前に見ておこうと(四国の友人と一緒に)、SANAAの新作、岡山大学のJホールを見に行きました。大学を町にひらく狙いで建てられた施設、正門を入ってすぐの緑に囲まれた場所にあるセミナーハウス。
細い柱が、ランダムに並べられ三角や四角の屋根を支えていて、壁はすべて透明のガラス。SANAAならではの、軽やかな気持ちのいい建築です。
受付の方が親切に、案内してくださったが、見学者は世界から来られるが、英文の表記がないので苦労しているとのこと。ホールは人数に対応して広さが3つに変わり、遮光カーテンでパソコン表示も自在。でも何より夕暮れのコンサートが最高に気持ちいいとのこと。そうだろうと、情景を思い浮かべてみました。
これを望むカフェがあり、そのテラスで一休み。このような施設は、富裕層の寄贈によってでしか、この国では建てることができないが、その層が無残に変質していて、これはほんとうに稀有な例だとあらためて思いました。
もうひとつのキャンパスでも工事中とのことで、そちらへ行って見た。Jテラス、こちらは曲面の屋根に、自然の傾きをなぞっている床面だけの、文字通りのテラス。一部にカフェができるらしいが、施設としてははるかに小さく、それがよりSANAAらしいと思った。
鹿島の現場担当のTさんが、案内してくださる。屋根の両面が同時に見えるようにするのに、苦労したとのこと。皆さんやる気の引き出し役に過ぎませんとつつましいが、これが定年前の最後の仕事とのこと。
豊島の美術館も担当なさったようで、水を出すための大苦労話をうかがう。そういう現場ならではの苦労話をぜひまとめてくださいとお願いする。こういう方にお目にかかると、人間とはすばらしいものだと思うから不思議です。
長旅の前の楽しい一日でした。SANAAのルーブル美術館別館が、ますます楽しみになって来ました。