旅をしている人
田原 晋

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旅の記録, 201407フランス

4)パリ祭の花火

夕食は広場でリゾットを食べてから、8時過ぎ花火を見に行くことにする。7月14日、独立記念日、日本ではパリ祭と言っている。といってどこで見るのがいいか、まるでわからず、適当に河畔へ。搭は半分しか見えないのに、人でいっぱい。そこで坐って待つことにしたが、一人はこちらだけで、どうも落ち着かない。家族づれかカップル、薄暗くなってますます「おめえここで何しての?」とバカらしくなって、引き上げてしまった?!

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 部屋に帰ってテレビをつける。ちょうど始まったところ。伴奏というのか、きちんとしたオーケストラの演奏でモーツアルトのレクイエム、それに合わせて花火が踊る。引き込まれてしまう。音楽は、その後バッハ、フランス国歌、イマジン、そして第94楽章合唱と流れ、それにシンクロして花火が続く。搭のあらゆる部分から噴き出したり、逆に内側へ向かったり、あるいは塔を浮かび上がらせるように周囲に上がったり、この都市をシンボライズする塔を主役にしたコンサートになっていた。カメラは全景を見せるフィックスのそれが、突然空中のヘリコプターからの視点になったり、テレビの映像として考えられたショーになっている。そのことに感心すると共に、花火をこのように扱うことに驚いた。45分間のショーは、このような興奮の中で終わった。途中、アナウンサーの声はなし。いえ、終わった後も、花火の上がるヘリコプターの映像をバックに、延々とクレジットが流れて、アナウンサーの声は一言もないままに番組は終わった。

 

 花火をこのようにコンサートとして見せることにビックリした。さすが芸術の国だ。花火は日本の方が上だろうと、やみくもに信じていた自分を恥じた。それにしても、これを日本のテレビは、なぜ紹介しないのだろう。ウィーンの新年コンサートは毎年流すのに、と思った。(ネットを探すと、見れるのでしょうか?)

 来年、もし誰か一緒に見ようという人がいたら、セーヌ河畔の塔の見える部屋を取って、そのベランダから現実を見ながら、同時にテレビを見ると言うのが最高だろうと思いながら、就寝。~こういうことがあると、富子さんを思い出す。もう20年も前のことになるのだ、夢のようだ。

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