旅をしている人
田原 晋

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旅の記録, ベトナム 150507~18

ベトナムの旅で思ったこと・知らない町KonTumへ行く

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 今回のベトナムの旅は、10年前にハノイにハノイの民俗学博物館の庭にあった、びっくりするような大きな屋根の集会所を、実際に建っている場所で見ようと思ったことからスタートした。これがダナンの近くにあるとのことを写真家の小松さんが教えてくれたことを思い出したのだ。

 とはいえ、それ以上のことはよくわからない。博物館で求めた本ではKon Ronと呼ばれ、集落の中心に建てられる公民館というか集会所、祭りや行事の時などに使われるものらしい。ネットでは、commural houseと呼ばれて結構たくさんあることはわかっただけだ。

 現地の旅行会社も知っているところはなさそうだ。ネットで返事してきた唯一の会社に、行き方を尋ねていると3日間のツアーの計画が出てきた、700$。こちらがじじいのひとり旅とは知らないからだろうが、これでは乗れない。それはダナンに着いても同じ、友人が紹介してくれたガイドさんも、写真すら初めて見たようだし、周辺の観光地以外のことはまるでご存知なく、結局そちらをすすめてくれる。

 唯一、ホテルの女主人が、それならバスで、それのあるコンツムKonTumの町まで行けばいいのではないかと言ってくれた。そこまで行けばなんとかなるだろうと言う。行ったことはないようだが、ごく当然の提案だ。それ以外の方法はなく、それに従うことにした。呼んでもらったタクシーはバス乗り場をぐるぐるまわって、これがコンツム行きだとマイクロバスの前に着けてくれた。それ以降のことは、日記に書いた通り、信じられないほどに簡単にうまくいったのだが~。

 

    だが、とても基本的なことを忘れていたこと、それで周囲の人に大変な迷惑をかけたことを申し訳なく思った。自分の不安を棚に上げて、周囲のよく知らない人に聞きまわって、誰も知らないと文句を言っていた。そんなことより、先ずは知っている人がいるだろう場所まで行けばいい。公共交通機関があるきちんとした都市があるのだから、ともかくそこまで行き、そこで尋ねるのが基本だろう。~その国を信用してやって来たのだから、そこが事故なく運営している公共バスを信頼しなくて旅などできっこないではないか。

 

 かくて行ってみれば、そこでは誰でもが知っていて、町の中心にはモデルハウスが建っているし、町のシンボルマークに使ってPRしていた。バイクやタクシーの運転手さんは、当然でしょうと案内していた。ダナンとは県が違っているためか、観光の情報がまるで広がっていないようだ。このあたりの情報が全国に広がっている日本とは違っているというか、私たちの常識とちょっと違っている。

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     結局のところ、ひとり旅をしていると言っても、誰かがすすめる場所、あるいはガイドブック(地球の歩き方)のすすめに従って行っているに過ぎない。最近は、研究者のレポートに従って行くとか、英文のガイドブックlonely planetで出掛けることすらなかった。

     はたして、それが旅といえるのか、ブーアスティンの「イメジの時代」を思い出した。せめて、そういうことを思い出させてくれたことを、ありがたく思うことにした。

 

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