スリランカで・1 スリランカのため池
2016年4月27日
旅の記録, 201602 スリランカ, スリランカ160295~25
スリランカで・1 スリランカのため池
今回の旅でいちばん驚いたのは、遺跡でも紅茶でもなく「ため池」だ。信じられないほどの大きさの湖が、どうも人が造ったようなので尋ねてみると、そうだと言う。平原を前にして大きな堤防が築いてある。それに貯められた水面はどうみてもそこに広がる平原よりはるかに高い。もしこの堤防がくずれたら水は一気に平原に流れ落ちることになるのだが、石などはいっさい使わずただ土を盛り上げただけのように見える。その土手のあちこちには、またびっくりするほどの大木が育っている。それだけの年数がたっているのだし、その前の平原は畑や村もあるが、人を寄せ付けない熱帯雨林もあって、象も棲んでいる。
琵琶湖とは言わないが、宍道湖とか諏訪湖の広さはあるのではないか、対岸ははるかほとんど見えないくらいの場所もある。所々にある水門は、コンクリート製もあるが、石だけで造られたものもある。しかも1か所だけではない。そこから流れ出す水路は、豊かで子どもたちだけでなく大人も泳いでいた。
アヌラーダブラの近くに、またアウカナの仏像のあった村の近く、シーギリヤの近くの練熱帯雨林の上手、そしてポロンナルワのゲストハウスから見えたものまで、こちらが見たものだけで4か所はあった。持参のi-bookは壊れて地図をみることができない。地図を求めたいと思ったが、そのような店もなく、結局なにもわからずに帰って来た。
これだけは、もう一度きちんと見に行きたいものだ。地球の歩き方(ガイドブック)、山川出版・世界歴史の旅 南インドによると、アヌラーダブラにあるのは3世紀、ポロンナルワの近くにあるのは12世紀に作られたとある。どちらも、それぞれの王権が確立した時期、最初に灌漑を整備している。何という見事な政権であったことか。その大変な大工事を、どのような工法で完成させたのだろうか。そして、それは単に灌漑の設備だけでなく、その政権が亡んでしまった後まで、結果としてこの国の自然を作り出している。象のいる熱帯雨林を、人間が造り出したものだということは、もっともっと注目されていい。
世界遺産でないのが不思議なくらいだ。とはいえ、もしそうなるとして、これは文化遺産なのか自然遺産なのか、その判定の困難を避けるために、あえて登録を控えているのかもしれない。