スリランカにて・4 アーッパという食べ物
2016年4月28日
スリランカにて・4 アーッパという食べ物
これまでいろんな国でいろんな食べ物に接してきたが、これは特別。似たものが、ない。少なくも私は見たことがなかった。強いて言えば、カルメラ焼きに、作り方は似ている。
大きなアルミのお玉に、ココナッツミルクをちょっとだけ入れて、火にかける。軽くゆすると、お玉の上の部分から固まってきて、パリパリになる。その上部パリパリ、底部は少し厚くてしっとりした状態でできあがり。
2枚ばかりを、お皿に入れて供してくれる。ほのかな甘さと、パリパリしっとりの食感がなんとも言えない。底に小さな卵を入れて、半熟くらいで出してくれることもある。
とはいえ、なぜか朝か夕方しか作らない。夕刻、見学などを終えて、町に帰って来ると、店頭で焼いている。それをもらわないと、食べ損ねてしまうことになる。といって、そんな時間に食べると、夕食に困ることになる。それだけで夕食にはならないし、食べると、夕食の時間が遅くなってしまう。ヨーロッパなら、それでいいのだが、こちらの生活スタイルでは、困ったことになる。あくまで、これはおやつに過ぎない。
一度、夕食時に見つけて、まだ焼いていると注文したら、冷たくなったのを3つも出してくれ、仕方なく食べたのだけれど、まずいのに驚いし、夕食にはもちろんならなかった。
とはいえ、夕刻のちょっとお腹が空いている状態で、この薄甘い「パリパリしっとり」感は、なんとも幸せな気分にさせてくれた。
最初に見つけた、アヌラーダプラの商店街。次はキャンディのレストラン、そしてコロンボでの道端の屋台、お店の感じというかランクもさまざまだったけれど、いずれも、その食感は他の何ものにもない、うれしいものでありました。
このためだけでも、スリランカにもう一度行く価値はあるように思う。