「トランプ自伝」を読みました
2017年2月20日
「トランプ自伝」ちくま文庫 2017.01.
トランプ大統領が就任して、さまざまな話題が飛び、彼を知るための書籍も、多く出版され本屋さんに積み上がっています。その中で、ご本人が書いた自伝があったので、文句なしにそれを読むことにしました。たとえ嘘があるにしても、それは本人が意図をもってついたものだろうし、他人が類推したものよりはるかに真実でしょう。予想通りそれは、とても面白かったし、ナルホドと思いました。
そこで感じたことをまとめてお知らせすることにします。
~ここに発表するか迷っていましたが、1か月たって、やはり載せることにしました。
1・彼は世界の富裕層1%の方としか、つきあっていない。そのやり取り(商売)の中で出てくる、アラブの人や日本人中国人が彼の知っているというか、想像できる人たちなのだ。
2・だから他の人のことはまったく見えていない。(空港で抱擁している)7か国の人それぞれにも人生があり、愛も喜びも幸せも不幸もあることが、どうもまるで想像できないようだ。
3・だが大変に賢い。対応力もあって、他の競争相手(富裕層)にはない、現場のことまで知ろうとするし、それで商売(建設などの事業)をするから、成功している。
だから、これからの政治でも同じ態度を取るだろうことは、想像できる。まだ知らないだけだ。
4・美や芸術へのセンスは、大変に高い。単なる流行には左右されない見識を持っている。例えば、ポストモダン全盛期、それをコンクリートで造る回顧趣味は好きではないと、古い外観をそのまま残す方向へシフトしている。モダンについても同じ(成功するべく建てられたトランプタワー)。
5・家族もまた、そのように作り上げている。奥さまや娘さんの実力(経営能力や美へのセンス)も、見事なものだ。
~このあたりはちょっと気持ち悪いけれど。
6・つまり、それだけ(自分に見えたものだけ)を見て、それだけしか見なくて、現在まで来ている。
それ以外を、見ようとしない、見る必要がないから成功できた。
と、以上のように思えば彼の言うことが、わかるような気もする。
7・例えば、100以上のホテルを持つホテルチエーンが、たった2つのカジノで利益の大半を上げているのを知ると、文句なしでそれに参入しようとする。そこで、それを利用する人に、どんな人生が生まれるかなどは、まるで考えない、というか思いつきもしない(これは日本のどこかの知事もまるで同じだが)。
8・ところが現在、見えなかった、まったく見る必要のなかった相手から、文句を言われるようになった。
つまり、彼は今、あらためて世界を知らされ、見ざるを得なくなっている、そうせざるを得ない場に立ってしまった。さて、これからどうなるか、これからが本番だろう~
9・とはいえ、これまでの生き方(商売の方法を見れば)その対応力はあるし、それで成功をしてきた。
10・つまり、これからの勉強次第のように思う。豹変するかもしれないし、その可能性は大いにある。意外に、すばらしい大統領になるかもしれない。
~これからをよく見ていきたい。どちらにも転ぶ可能性があるのだから~。
11・ともかく以上を知って、こちらとしては、4年後の中間選挙を待ちたい。そこでアメリカ国民がどんな判断をくだすのか。
初めて、もう4年はなんとしてもボケないで生きたいと思っています。そう思わせてくれたことに、何より感謝しています。
(東京オリンピックなんて、見たいともなんとも思わないけれど~)