旅をしている人
田原 晋

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旅遊びの合間

ジャムの旅

 なんだかこういうことを書くと、大変な料理好きのように見えるかもしれないが、むしろその反対。なんでもないというか昔から変わらない、ごく普通のものを食べている。朝食はトーストと紅茶。それにオムレツ、マッシュルームを入れることが多い。あとはレモン汁をしぼった野菜ジュースと、蜂蜜か粉砂糖をかけたヨーグルト。だから旅先で蜂蜜を見つけると求めたりする。たまにチーズや果物が加わる。ハードトーストはもう何年も同じものを求めていて、変わらなくて当然と思っているが、どうもそう思う人は少数派になっているらしい。かっちりとした食パンが近所にはなくなって、北野まで買いに行く。


 さて、もう恒例だが、今年もイチゴジャムを作って、先ほどビンに入れて冷蔵庫に入れた。6ビンほどできたから、まあまあ普通の出来だ。いくつかは進呈するが、ほとんどはこちらの朝食用だ。
 神戸は六甲の向こうにイチゴ狩りの農園がある。ジャムにするいちごは、皆さんが狩りをした後に残った形のいびつなものや小さいもの。頼んでおくと電話で知らせてくれる、ケーキ屋さんにおろすのを譲ってくれるのだ。今年は2kg、へたや痛んだところを取ると1.5㎏以下になる。
 これに砂糖を加えて煮るだけだ、ただし量は通常の半分以下。それに少しの蜂蜜とブランデーとレモンに、隠し味の塩を加える。これらの量によって味や色は微妙な変化がするが、毎年その時の気分次第。といって料理本では、いちごと同量の砂糖ということになっているから、それを半分する。それだけが自慢だ。痛みやすいのではと言われるが、その前になくなってしまうから、問題にならない。

 次はイチジク。店頭に並ぶと欲しくなるが、スーパーでトレイにのせて売っている。その6~8個の2つくらいを食べると満足して、残りをジャムにする。これはせいぜい1ビンだけだが、それでじゅうぶん。はるか昔、小学校の帰りに他人の庭から無断でいただいたのを思い出したりする。それに比べると、はるかに大きく味も立派になっている。

 そして秋、スーパーに紅玉が並ぶとやはり5~6個を求めてしまう。出来上がった味ももちろんいいのだが、鍋で煮る、その匂いが家じゅうに流れ出すのが嫌いではない。

 こうして、わが家の季節が過ぎていく。お店で買うのは、自信がないので作るのは敬遠しているマーマレードと、なくなってしまったイチゴジャム、二つは常備品だが、たまにマロンのペーストを求める。気付いてみると、いずれもブランドまで決まってしまっている。

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旅遊びの合間

医院の旅

 何時もの内科の先生はもうずいぶん長いお付き合いで、今のところは、便秘とオシッコというどちらもお通じを良くする薬をもらっている、飲まないとどちらも途端に出にくくなる。まそれはともかく時に、何かトラブルがあるとその先をどうするか水先案内をしていただいている。

1) 最初は顔の日焼け。姪の結婚式でハワイに行ったのだが、ホテルの部屋の窓の下がプール、あまりに気持ちよさそうで出かけたのがまずかったようだ、ほんの1時間だけだったのだが。帰国してから1か月以上たつのにどうも顔面の日焼けが治まらない。やはりこれはおかしいと、皮膚科に行くことになった。
  家の近所のお医者さんだが、有名な名医さんで遠くから来る人を含めていつも満員。肌のトラブルは、現代の社会と個人の関係を敏感に映しているのだと思い知らされた。ちょっとした肌荒れからアトピー、もっともっと深刻な例まで、待合室にいるだけでこれまでに気付かなかった現代社会の厳しさを感じた。やはり、それを敏感に反映するのは、子どもと女性だ。
  こちらは膠原病という診断。その名前すら知らなかったが、難病のひとつ。これはやばいと覚悟したが、肌から現れるのは、それ以上に及ぶことは少ないらしく、ずいぶん長く通ったが、そのうち赤が沈着してよくわからない土色になったので、先生に申し訳なかったが、そのうち行かなくなった。

2)  次は、アドリア海の旅。ホテルでしっかり用を足してから出かけるのだが、すぐに尿意をもよおして我慢できなくなる。トリエステでは、カフェの看板ばかり探しながら歩いていた。ともかく飛び込んでトイレらしき場所に直行する。おかげでそれがどこにあるか、おおよそ想像ができるようになった。そしてもう飲みたくもないコーヒーを注文する。町を歩くというより、カフェに行くために歩いているようだった。ここだけの話だが、ドゥブロヴニクの町を囲む城壁の上で、どうにも我慢できなくなって誰もいないコーナーといってそれは遠くまで見はるかす眺めのいい場所だが、ともかくそこで用を足した。当然それは染み込むことはなく細い水流を描いてやがて太陽の光が消してくれた。もう一度行くことがあれば、その場所をなでて感謝申し上げたい。
  これは当然、泌尿器科だ。なぜ泌という文字があるのかとおそるおそる出かけたのだが、ここは当然のごとくわがご同輩であふれていた。同じ悩みの方が多いのだろうか、車椅子の方もいらっしゃる。この医院はご夫婦でやっておられて女医さんの方は内科、それで待合室はバランスがとれている。
それにしても投薬ひとつで見事に解決して、薬の力にあらためて感心させられた。おしむらくは、それが今も続いていることだ、止めると見事にそれは再発する。考えてみると、お通じをよくすると同時にそれを出にくくしている訳で、ずいぶん勝手なことをしていると申し訳ない気分だ。

3) さて、なぜだかわからないが旅に出ると、鼻水が止まらない。いつもたれ流しながら歩いている。だから出かけるときにポケットティシュは大量に持参する。前回の旅のモロッコでも、同行の女性に鼻水がたれていると何度も注意された。帰国するとそれは治る、何時ものことだから放っておいたのだが、今回は帰ってからどうもおかしい。鼻がつまるだけでなく、喉がつまって声が出にくい。当然、鼻からの呼吸ができないから、すぐ息が上がって口から息を吸う、心臓が早鐘を打つ。これは深刻なトラブルではないか。咽頭、食道、肺のガンの可能性もある。久しぶりに会った友人が心配してくれる。これは耳鼻咽喉科の領分だ。
 子供の頃以来だと出かけると、やはりここは子供の領分、お年寄りもいるが若いお母さんが絵本を読み聞かせたりしている。その中で待つこと2時間。問診票の最後にガンの可能性はありませんか、と書いておいたのを医師は確認してこれはガンではないよとニヤリと笑った感じでのたまう。ほら喉一面にタンがつまっている。と写真を見せてくれる。鼻から落ちてきたのがここにたまったのだ。これを取ればいい、なにか面白がっているようだ。こちらはともかくホッとする。
 もらった錠剤を朝夕の2回飲んだところで、なんと喉は本来こういう感じのものであったと、思い出すほどにスッキリした。以後も飲み続けて1週間後に訪問、そのことを言うと、とはいえまだ完治ではないね、とさらに1週間。帰る前に鼻の穴にガラス管をつっこんでしばらく蒸気を吸う、昔の吸入器の進化したものだろう。結局のところ、鼻の調子は変わらないので、3週間目で無罪放免にしていただいた。喉はすっきりしているが、今もって鼻は完全ではない。とはいえ、気分は最高にいい、ありがたいことだと思っている。


 さて、次は何科に行くのだろう。外科も形成外科も行ったことがあるから、残っているのは脳の関係しかないように思うのだが、ハテ。

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後期高齢者になる旅

2011年4月18日

旅遊びの合間

 本日より後期高齢者保険証を使うことになったので、記念することでもないが何時もの医院へ薬をもらいに行った。気付いてみるとこれまでの10%負担が30%になっていて、先生にこちらとしては事務手続きが楽だけど、普通なら先週来るものですよと笑われた。確かにこれまでの3倍を支払うのだから、馬鹿げている。薬局では、つい数年前まで70才以上は無料だったのだから大変ですよねと同情された。

 ま、記念日ではあるので、そのまま三宮に出て何時ものハードトーストを求め、昼食はこれも何時もの中華にして、何時もの店でお茶にする。
とはいえ、すべて何時もと変わらないのは、変なような気がして、甘いものを求めることにした。といってひとりでケーキはないだろうと、和菓子のコーナーに行って結局おはぎをひつという訳にはいかなくて2つ求めて、午後と夜に平らげてしまった。
これもつい先日、会社の同期の連中が集まる会が伊勢であって、赤福餅の店に立ち寄ったのだが、皆さん意外にも甘いもの特にあんこが好きだとわかって、こういうところに年代が表れるのだと気付かされたことが影響している。


 と以上の話、このブログには関係ないことのようだけれど、実はお医者さんに薬をもらいに行くようになったのは、旅と関係している。そのことを次回にまとめることにします。
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*モロッコの朝、パンを車に積んで配達していた。

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旅遊びの合間

 昨夜、誘われるままある会合で「私の旅について」話をしました。写真は使わず、プリントと話だけという会合。1時間と少し話をして、あと1時間と少し皆さんとお話をするという会。なんとか楽しんでいただき、いい旅をしているねと言われて、こちらもうれしくなりました。
 また女性の方で、ツアーに参加しているけれど、最後の都市で皆さんと別れてあと3日ほど一人で過ごして帰るようにしている方がいらっしゃって、こちらもとてもうれしくなりました。
 この話を、旅行会社の説明会の片隅でできたらいいのに、それは無理ですねなどと、話がはずみました。

 以下が、こちらが話した内容のレジュメです
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こちらが実践している・中高年「ひとり旅」

1. 普通のホテルに泊まって行く旅。
・ひとり旅=バックパッカー=寝袋=安宿 というのも間違いではないだろうか。
・生活のレベルを変えない。1万円前後、贅沢はしないが貧乏にもならない。
古いさびれたホテルは好きだが、狭いいかにも経済優先のビジネスホテルは嫌い(後述)

2. 途中でスケジュールが変わる、行く先も変わる。予定変更こそが、旅の醍醐味。
カフェで半日過ごしてしまう。気に入ったからもう1泊、教えてもらった場所へ行ってみる。
教える人の熱意真剣さに、聞かねば申し訳ないという気分。
(尋ねると、国や都市を代表した気分で教えてくださる。その気分は理解できる)
(ブタベスト・列車の中で女性の紹介・お墓)(ラオス・誘われて1泊の奥地へのボートツアー)
(チュニジア・学生さん達に不便で行くつもりのなかった遺跡をすすめられ~)

3. 土地の人の方が多い、ローカル列車やバスで行く。(一日の移動時間は、2~3時間が理想)
  土地の人と微笑をかわす、わからない言葉で話をする。(ヴェトナム、インドでは楽しい)
下手な英語でも単語を並べれば何とかなる。
若者が急速にうまくなっている。(逆に下手なのを謝ってくれて恐縮することが多い)
・次の都市に4時までには着いて、ホテルを探す時間を確保する。
・夜行列車や船はなるべく使わない。仕方がない時はベッドを確保して行く。無理はしない。

4. 荷物は期間に関係なく、自分で網棚にのせることができる大きさ。

5. つまり国内を旅するのと同じように、世界を訪ねる。
国内旅行を個人でする方なら、世界だって同じと思うのだが。言葉を理由にあきらめておられる?
(最近は国内もツアーが多くなっている。逆に海外ツアーも個人意識が強くなっているようだ)
* テレビ番組)関口知宏さん・中国列車旅行。こちらの旅と似ていて悔しい。が彼はテレビのスタッフを連れている。(そのためかレシピ・行程表がない・マネを拒否している)~この番組は終了。
* 現在放映中に「世界街歩き」という番組がある。ひとつの(小さな町を、朝から夕刻まで歩き回る)カメラが歩行者になって行く、現地の人が話をする。タレントさんは番組作成時に参加、現地には行かない(それだけ安く制作できるようだ)・どんな言葉を入れるかで、番組の品格が変わる。同じものを見ても、まるで違う反応になる。我ながらよく行っていると思う)

6.長さは約20日、3週間になっている。この長さだと、光熱費など、留守宅の維持費が大きく違ってくる。それの部分も、旅の費用として計算すると、航空券は別にして、現地交通費、ホテル代、食費が、場所にもよるが日本の生活費で賄うことができる。
 ・中欧、・アジア、・インドはほぼそのラインで賄える。ヨーロッパの大都市、北欧は、それでは無理だが、一応その額を標準にしている。このところの円高はありがたい。
*何より長さが、スケジュールを自由にしてくれる。若い人のフリー旅は期間が短く、盛り沢山で結局フリーが何もできない、ツアーと同じ予定になっているようだ。

7.ホテルは到着してから探す(ただし、到着の遅い最初の日と、出発の日は予約する)。
ヨーロッパではトラヴェルインフォーメーション(iのマーク)が整備されていて、必ず町の中心部や駅にある。そこで紹介してもらうか、リストをもらって自分で探す(荷物を預かってもらう)。*それぞれ町の流儀があるようだ。ともかく明るいうちに着く必要がある。
こちらは、平均して3つ星(100ユーロ、100ドル、1万円以下)。つまり国内を旅行する時と同じ感覚です。旅行だからと生活のレベルを変えないのが、長持ちする理由だと思います。
探すポイントは、新しくないもの、清潔は望みますが、古い建物を大切に使っているのが理想です。理由は部屋が広く、天井が高い。
また1~4星の間で選び、変化させることが、また楽しい。・公園脇の部屋を指定、眺め重視。
失敗もある。シャワー付きだと安心したら、トイレがなかった。窓がまったくない部屋。
*駅構内で話しかけられて、民宿を利用したこともある。貴重な経験だと思う。
もちろん誘う相手をよく見る。中年男性、母親が都心にひとり住む。そこを貸す例が多い。朝食楽しい。
・プラハ、中心広場からすぐのアパート、鍵が5つ。・ワルシャワ、共産時代開発の高層アパート。
・スプリット、クロアチア旧都。100年以上はたっている石造長屋、家族の傍だが生活望めた。

*ただしインターネット社会になって、ネット予約が簡単にできるので、予約客が増えてきた。いよいよパソコン持参が必要になると思っている。
8.もうひとつ、駅構内に鉄道の案内所インフォーメーション(iのマーク)があって、こちらは次の町と出発したい日時を言うと、時刻表を打ち出してくれる。ここで、チケットを買うことができる場合もある。曜日がとても重要だ~それで違う場合が多い。

9.食事について、
先方に合わすのが快適かなと思ったりするが(例えばイタリアでは、昼食がメイン)、結構大変。
抜け道)・国立美術館の食堂は一般的にすばらしい。昼食はここで済ますのを最初から予定する。ただし混むのを避けて早く行く。
・ショッピングセンターの食堂街、(その国の現在の平均的食事を楽しむことができる。例・西宮ガーデン、シンガポール、北京でも)
・また最近ショッピングセンターは有名建築家の作品も多い。シンガポール・伊東豊雄、ウィーン・ザハハディッド、ベルン・リべスキンド。

10.私のブログは、旅のレシピだと思っている。だから金額も所要時間もきちんと書く。
   自分も行こうと思われた時の参考になるように、配慮したつもり。
ブログを作る前は、写真のような小冊子を作って配っていました。
img20110124105740783
 (最近、友人がそれを1冊にファイルしてくれて、感激しました)

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旅遊びの合間

・地中海4回目
 すっかりご無沙汰していますが、次の旅の計画をしています。地中海の4回目、今回はスペイン、バルセロナからマヨルカ島へ渡り、バレンシアに戻って、海岸を通ってジブラルタル海峡へというコース、できれば対岸のモロッコにちょっとでも寄ってみたい(日帰りできるとか)と思っています。一応地中海なのだから、今回はアルハンブラもセビリアもコルドバにも立ち寄らないつもりです(ここは以前に連れ合いと一緒に行った場所なので特別な思い入れがあって、ちょっと行ってみるという気分にはなれません)
 それでも最後はマドリッドへ、なんと初めてなのです。前回(09年)行こうとしたら日本人のパスポート狙いの羽交い絞め強盗が頻発しているとのことで、強く止められてあきらめました。ここはプラド美術館のゴヤが第1の狙いです。とくにちょうど私と同じ年齢、もう耳が聞こえなくなってから自宅の壁にただ自分のためだけに描いたという黒い絵のシリーズをじっくりと見たいと思っています。堀田善衛さんのゴアを読んで以来のぜひ見たいと思っていた作品にようやくお目にかかれます。
 ということで、今回の地中海の旅は前後をまるで違う旅にはさまれることになります。最初のバルセロナはやはりガウディ、まだ見ていない作品を追いかけることになりますし、ロジャースやヌーベルの作品も見ようと思っています。
 旅が1色だけにまとまらないのは、仕方のないことですが、年を重ねると自分の思いもいろいろに加わってますます複雑になるようです。考えてみれば生きていくということがもうそんなものですから、毎日の感覚をぶら下げたまま旅をしようとすれば、これは避けられないことのようです。

 それより風邪がながびいて、なかなかすっきりしないのが何より悔しい。すぐ息切れするように思うし、体力が落ちていて、バッグやリュックをこれまでのようにまったく気にすることなく持ち運びできるか、そこから気になっています。こうやって、年をとっていくものなのでしょうね、やだやだ。
 出発は21日、帰国は3月11日頃。

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