旅をしている人
田原 晋

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旅遊びの合間

あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
  本日8日、今年最初の「六甲~有馬温泉」のひとりハイキング、途中会った数人もみなさん「おひとりさま」ばかり、数年前はグループばかりだったのに様代わりです。山頂では少しですが雪が残っていて粉雪も舞ったりしました。それだけに、有馬温泉はゴクラクゴクラク、少年が塀越しのお姉ちゃんに声をかけていたので、どこから来たのと尋ねたら鎌倉からとのことでした。
  例年なら、そろそろ旅の準備をする頃ですが、今年はボランティア劇団の公演があって2~3月に行けなくなってしまいました。4月に行けるかどうか~。地中海のシリーズは第3回、サルジニア島からコルシカ島、ジェノバは決まっているのですが、その先をどうするか思案しています。ヴェネチアの安藤忠雄さんの美術館の評判がよいので寄ろうと思っていたら、秋の建築展のディレクターを妹島和世さんがなさるそうで、ならその時にするか迷うところです。
  中国の旅をどう展開するか。国内にも新しい美術館があちこちにできています。「喋れなくても旅はできる」と大見得をきっていますが、結局のところ行きやすいところにしか行っていない。行きたい行きたいと思いながら、南アメリカもアフリカも行けないでいる。だんだん残り少なくなっているのに、結局おくびょうで慎重で絶対安全という場所しか行かないのだから、日本人だなぁと思うことしきりです。

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旅遊びの合間

上野千鶴子さんが「男おひとりさま道」という本を出されました。その中に、なんと、田原晋がなぜか本名で出ています。詳しくはこのブログにリンクしている「劇団シルバームーン」を見てください。
 ただその中に、こちらの「ひとり旅」のことにも触れておられて、とくに「ひとり旅」のいちばんの特長(価値)を情報の集まり方が違うと言われています。これは上野さんらしいご指摘だと感心しましたので、このブログでご紹介します。
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 ご興味のある方は、本屋さんでも立ち読みしてください。後ろの方で、旅のことは1ページくらいですから、すぐに読めると思います。もちろん買っていただくと最高ではありますが~。

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旅遊びの合間

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今年はメンデルスゾーンの記念年でその演奏会が多くありましたが、びわ湖ホールで室内楽プロジェクトが3回のシリーズで行われ9月23日、3回目が無事に終了しました。いえ亡くなった連れ合いのお弟子さんが音楽学者(小石かつらさん)になって、このシリーズを企画実行したので聴くことになりました。
(その受け売りですが)メンデルスゾーンはユダヤ人であったため一時評価が低くなり、研究されなくなるばかりか楽譜も散逸したりしたそうですが、現在につながる演奏会という形式(プログラムの構成を含めて)を作り出し、また指揮者という役割(前に立って全体を演出する)を独創したことなど、もっと評価されていい存在です。また室内楽を多く作曲していたり、オーケストラ作品を数名で演奏できるように編曲していたりする(当時はそういう要求が多かった)ので、あまり演奏されないそれらを3回に分けて聴くことができました。
すると代表曲も聴きたくなり、真夏の夜の夢序曲やメンコン(ヴァイオリン協奏曲)、交響曲イタリアと並んだコンサートに出かけたりもして、すっかり記念イヤーを楽しむことになりました。

ところで3回のシリーズでは、コンサートの始まる前40分ほど、彼女が舞台の袖でパソコンも駆使して、作曲家のことや作品のことなどをいろいろ話してくれました。これが大変に新鮮で楽しいものでした。最近は指揮者が始まる前に話しをすることが時々ありますが、それよりもはるかに内容があり、曲への理解も深くなりました。
これはコンサートの新しい形式だと、それがメンデルスゾーンの企画で生まれたことはとても意味があるのではないかと思ったりしました。やがてそれぞれのオーケストラの定期演奏会は、この形式になるのではないか。小さな文字のプログラムをくばるより、はるかにおしゃれで気持ちがいいと、未来のことを思ったりしました。(これは大強調しなければなりません)

*写真は演奏会のプログラム。写真はいずれも彼の肖像(若いのは12才の時)。

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旅遊びの合間

 昨日とてもいいお天気なので何時もの散歩ではなく、お弁当をつくってハイキングにしました。9時半出発。わが家から山に向かって歩くと30分で山道になり2時間で六甲の頂上に到着します。途中で会ったのは、ひとりハイクの2人。60台の女性、週に1回登っているとのこと。夕食の準備があるからすぐ下りるそうで、さっさと行ってしまわれた。男性は膝が悪くなったけれど以前はアルプスを歩き回っていたとのこと、こちらが追い抜くことになりました。お互いマイペース。
神戸の町を見ながらお弁当、少し歩いて有馬へ下りる道、ここまでが1時間。頂上の展望台付近はドライブの人で結構たくさんでしたが、下りの山道で会ったのは紅葉の苗を取っていた女性グループだけ。1時間で温泉街に到着。今回は銀の湯、予想通り空いていてゴクラクゴクラク。コーヒーを飲んでから、年寄り割引で乗れるバスで三宮へ、午後4時に到着。
久しぶりに2万歩を歩いた1日、これが旅の予行練習です。でも月に一度だったのが、このところ年に2~3回になったし、70才を過ぎてやはり息切れも早くなりました。

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本の旅

 前回の続きというか、100号になったJA Japanを読んで、これも紹介しておいた方がいいと思いました。「世界から見た日本の現代建築」という特集ですが、対談とインタービューが9つ、とても読み応えがあります。といって「世界の人が見た」というのではなく、世界の建築を見る目で日本の現代建築を見たら、どう見えるかという視点。つまり日本の特殊な事情や、日本人だけにしか通用しない感性や思考方法から離れてみたらどう見えるだろうかということ。結果として徹底した作品主義、どの作品が世界の目から見てすばらしいものと認められ、歴史に残っていくかということになります。
 結論として、と言ってこんなことはっきりと書いてある訳ではなくて、こちらが勝手にまとめるだけだけど、丹下健三に安藤忠雄、それに続いているのが伊東豊雄、そして妹島和世、隈研吾、それ以後はまだ見えていない。ただ、一時の菊竹清訓がどんなにすばらしかったのか、また坂倉準三が正しく評価されていたら、などの惜しむ意見があって、こちらはまるで知らなかったことを教えられました。結論としては、こちらが思っていたこととそんなに違うものではありませんでしたが、現代建築という分野の厳しい面をあらためて認識しました。建築家についてはまったく別の見方があるのは知っていますが、こういう徹底した視点は明快で気持ちのいいものです。
 といって、世界からの評価という面で見れば建築は、実によくやっているということになります。これから見れば美術も音楽も、もちろん文学も、日本のものははるかに小さな特殊なものでしかありません。
ともかく、そういう日頃にはあまり考えない知的な興奮を与えてくれて、雑誌という媒体のすばらしさを教えてくれました。あ、その意味ではこの3月の「広告批評 最終号」も対談を連ねて、読み応えがありました。

追記)GAギャラリーからDMがって、これを記念する展覧会をするとのこと、上京の機会に寄らなければなりません。
2009年8月29日から10月18日まで、12:00~18:30
GAgallery 500円 場所は東京・JR代々木から歩いて10分

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