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田原 晋

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旅の記録, 201308~09 ブラジル

20130820~0915(Oscar Nimeyerへの旅)

Brasil [SaoPaulo~Rio~Brasilia~Iguazu~Salvador] 7日間 

ブラジル[サンパウロ~リオ~ブラジリア~イグアス滝~サルバドール]

1 [行程]

1・8月20日(火)  六甲id 19:18 ~関空20:20  三宮20:30~関空21:40

関空 23:40 EK317 ~ドバイ 8月21日(水) 04:50   NOSTP       10H10
ドバイ 8月21日(水) 08:35 EK261 ~サンパウロ 16:30  NOSTP     14H55

2・8月21日(水)16:30到着 SaoPauloサンパウロ            Leques Brajil Hotel Escola 1泊

3・8月22日(木) サンパウロ                                   Leques Brajil Hotel Escola 2泊

4・8月 23日(金)サンパウロ~リオRio de Janairo(bus 5:40h) Hotel Atrautico Copacakabana

5・8月 24日(土) リオ                                      Royalty Copacakabana Hotel1泊

6・8月 25日(日)リオ                         2泊

7・8月 26日(月)リオ                                   3泊

8・8月 27日(火)リオ~ニテロイ(行きバス・帰りフェリー)

リオ~オーロ・ブレットOuroPreto(夜行bus 6h)

9・8月 28日(水)                        民宿1泊

10・8月 29日(木)オーロ・ブレット~ペロ・オリゾンチ

BeloHoriznte(bus2h) Hotel Othon 1泊

11・8月 30日(金)ペロ・オリゾンチ ~パンプーリャ湖畔

ペロ・オリゾンチ~ブラジリアBrasilia(夜行bus 12h)

12・8月31日(土)ブラジリア                                     Planalto Bittar Hotel 1泊

13・9月 1日(日)ブラジリア                             Planalto Bittar Hotel 2泊

14・9月 2日(月)ブラジリア~ゴイアニアGoiania(bus3h)   Plaza Inn 1泊

15・9月 3日(火)ゴイアニアGoiania~ブラジリア (bus3h)              Planalto Bittar Hotel 1泊

16・9月 4日(水)ブラジリア~イグアス

ブラジリア~イグアス/航空機  Hk1  10:54 ~14:40     Del Rey1泊

17・9月 5日(木)イグアスIguazu/アルゼンチン側         Del Rey 2泊

18・9月 6日(金)イグアス/ブラジル側       イグアス~クリチバ(夜行bus 10h)

19・9月7日(土)クリチバCuritiba                                        Hotel O’hara 1泊

20・9月 8日(日)クリチバ

クリチバ~サルバドールSalvador(航空機)JJ3858  17:22~20:04     Hotel Pelourinho  1泊

21・9月 9日(月)サルバドール             Hotel Pelourinho 2泊

22・9月10日(火)サルバドール~サンパウロSaoPaulo

JJ3895 11:18~14:30         Nikkei Palace Hotel 1泊

23・9月11日(水)サンパウロ               Leques Hotel Escola 1泊

24・9月 12日(木)サンパウロ               Leques Hotel Escola 2泊

25・9月 13日(金)サンパウロ                        (深夜出発)

26・9月14日(土)サンパウロ 01:25 EK262 ~ドバイ 22:55   NOSTP / 14H30

27・9月 15日(日)ドバイ   03:00 EK316 ~関空 17:30      NOSTP / 9H30

関空 17:45    bus/18:55~19:55

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2[費用]

・ 国際線航空券費用/エミレーツ航空

・8月20日(火)関空 23:40 EK317 ~ドバイ 8月21日(水) 04:50   NOSTP       10H10
ドバイ 8月21日(水) 08:35 EK261 ~サンパウロ 16:30  NOSTP     14H55

・9月14日(土)サンパウロ 01:25 EK262 ~ドバイ 22:55   NOSTP / 14H30


ドバイ9月 15日(日) 03:00 EK316 ~関空 17:30      NOSTP / 9H30

航空券代金:¥192,000‐ 諸空港税等:¥8,030‐取扱手数料:¥5,250‐
合計)¥205,280‐

・Brasil国内航空 費用

TAM航空 ブラジリア~イグアス/  Hk1  10:54 ~14:40        1214.95BRL        51,270円

TAM航空 クリチバ~サルバドール JJ3858  17:22~20:04

サルバドール~サンパウロ  JJ3895 11:18~14:30  (2便計)2011.04BRL  89,187円

                             合計)140,457円

・Hotel宿泊費

・SaoPauloサンパウロ  Leques Brajil Hotel Escola  2泊 485.10BRL  19,994.

・Rio de Janairoリオ Hotel Atrautico Copacakabana 1泊 278.25BRL (cash) 11,130.

・         リオ   Royalty Copacakabana Hotel 3泊  900.00BRL   38,013.

・OuroPretoオーロ・ブレット   民宿 1泊     100BRL(cash) 4,000.

・BeloHoriznte ペロ・オリゾンチ  Hotel Othon 1泊 479.55BRL  20,375.

・Brasiliaブラジリア  Planalto Bittar Hotel    2泊 403.00BRL   17,006.

・Goianiaゴイアニア  Plaza Inn 1泊  143.00BRL  6,114.

・Brasiliaブラジリア  Planalto Bittar Hotel 1泊    200.00BRL  8,497.

・Foz de Iguasイグアス  Del Rey 2泊    244.78BRL  10,855.

・Curitibaクリチバ    Hotel O’hara 1泊 115.00BRL  5,100.

・Salvador  サルバドール  Hotel Pelourinho 2泊  200.00BRL  8,000.

・SaoPauloサンパウロ  Nikkei Palace Hotel 1泊 247.69BRL  11,040.

・SaoPauloサンパウロ  Leques Hotel Escola 2泊  683.10BRL  30,476.(含・時間延長)

[合計]     4,479.47BRL(計 20泊) 1泊当たり 223.97BRL  [ 約9,000円 ]

リオ・コルコバードの丘

リオ・コルコバードの丘



付)歩数計

08.20)出発11,216  21)機中1,755  22)サンパウロ10,682  23)サンパウロ12,135  24)リオ16,445

25)リオ14,037  26)リオ11,363  27)リオ24,792   28) オーロプレット21.354

29) ベロオリゾンチ11,620 30) ベロオリゾンチ23,715  31)ブラジリア23,773

09.01)ブラジリア22,193   02)ゴイアニア14,269  03) ブラジリア10,155 04) イグアス13,950

05)イグアス18,164  06)イグアス17,292   07)クリチバ22,469   08) クリチバ12,702

09)サルバドール12,146  10) サルバドール18,717  11) サンパウロ17,010

12) サンパウロ24,762   13) サンパウロ12,990.   14)機内5,560.

1日平均歩数 22日)~13日)23日間   15,837

以上・おつきあいありがとうございました

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旅の記録, 201308~09 ブラジル

6 サンパウロの汚し屋

 

汚し屋強盗というのをご存知だろうか。一人が背中にインクなんかをかけて汚し、それを一人が見つけて親切に声をかけて服を脱がす手伝いをする。もう一人がバッグを持ってくれたりする。周囲の人は、大変でしたねとは思うが、すでに助けている人がいると、見つめるだけで通り過ぎて行く。世話をしてくれる彼らはグループで、その連携プレーのもとに背広の内ポケットやバッグの中身が抜き取られてしまう~。

 

サンパウロに到着した翌朝の最初に外出した地下鉄で、なんとこちらの背中が汚された。満員の地下鉄を下りてやれやれと歩き出したところで、一人のおっさんが声をかけてきて、背中が汚されていると言う。こちらはとっさに上記の汚し屋強盗と思った。

何しろ、出発前フロントのお兄さんが、背中のリュックを置いて行けと言った。サンパウロは危険だから、リュックは泥棒に会う可能性がある。人ごみでは、背中ではなく前に抱えるように、と心配してくれた。わかっています、気をつけますと、出かけてきたばかりなのだ。

これはヤバいと、後ろに目を配りながら、ビルの壁のある場所まで行って背後の安全を確保した上で、慎重にリュックを降ろし、それを足の間にしっかりとはさんでから、ショルダーは首にかけたまま、ゆっくりとブレザーを脱いだ。なんと、クリーム状のものが背中にべったりとかけられている。おっさんが差し出してくれたティッシュを、ぞんざいに受け取り、ふき取ることにしたが、そんなものでは追いつかない。用意の濡れティッシュを取り出してふき取る。でも、そのおっさんはとても悪いことをする人には見えない。こちらのふき取るのを、ただ心配そうに見ている。サンパウロを代表して、謝っているようにさえ見える。さすがにちょっと申し訳なくなって、大丈夫です、ありがとうと引き取ってもらう。それにしても、汚し屋の仲間のようなメンバーは見えない。地下鉄の人ごみの中で見失ったのだろうか。

ともかく、汚されたけれど、それだけで済んだのは、不幸中の幸いだと思うことにした。ただ、ビルの見学だからと、わざわざブレザーを着てきたことを悔やむ。ともかく、旅の最初に、なんという先制のパンチをくらったものだと、あらためて、これからの旅への注意をカクゴする。むしろ、それを教えてくれたことを感謝することにした。

 

ということで旅がスタートしたのだが、以後、特別なトラブルはなくあちこちを見物して、無事にまたサンパウロに帰って、もう帰国の途。荷物を持ち空港バスが出発する中心部まで、また地下鉄に。もう乗り方もすっかり慣れているのだが、荷物の多いのがちょっと申し訳ない。

到着した車両は心配した通り混んでいる。謝りつつ乗り込んだのだが、なんと目の前に、むき出しのアイスクリームを持った若いお嬢さんが乗って来た。慎重に持っているのはわかるが、電車の中、グラッときたら、簡単に他人の衣服に付きそうだ。隣のおじさんが注意のまなざしを送るが、本人は知らぬ顔。「私の楽しみを奪わないでよ」という感じでいる。

 

どうやら、こちらの最初のトラブルは、この家までのささやかな楽しみのアイスクリーム、それをこちらのブレザーが、食べてしまったのではないか。と考えると、あの時の状況が納得できる。その彼女は謝る前に、自分の楽しみが奪われたことを、悔しく悲しく腹立たしく思ったに違いない。

ということを勉強して、ブラジルを離れたのであります。メデタシ、メデタシ。

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おまけ)ブラジリアのショッピングセンターのカフェで。あまりに可愛いので撮らせてもらった。日本並みの値段のお店、たぶんとてもお金持ちの家族。

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旅の記録, 201308~09 ブラジル

5.計量式ビュフェ料理

 

今回の旅で、いちばん助かったのはこの方式のレストランがあったことだ。沢山の料理が並んでいて欲しいものを取っていくのだが、最後の支払いをする場所にハカリがあって、その重さによって値段が決まる。ハカリに付いている大きな文字で値段を教えてもらえるし、ちゃんとレシートが出てくるから、客のこちらにありがたいだけでなく、お店の経営にも役立っているのだろう。何より、若い人に比べ食べる量が圧倒的に少ない東洋の老人にとって、これは何よりうれしかった。

お肉も野菜も同じ値段だから変だと言えば変だが、その比率は似たようなものだろうから、それで納得できる。一枚の大皿に、お肉からサラダまで並べるのだが、ここには白いご飯(ピラフ)が必ずあるので、日本にいるのと変わらない食事になる。牛豚鶏のお肉の選び方、添える野菜の取り方と並べ方次第で、おいしそうなプレートが出来上がる。毎日の食事を変化させることも簡単にできた。

飲み物は別料金、パンは無料。デザートは値段の単価が違っていて、別の重りをのせて量っていた。コーヒーはエスプレッソで無料がほとんど、皆さんレジでの支払いを済ました後、横に置いてあるポットから小さな紙コップにいれて飲んでいることが多かった。食事後はみんな上機嫌だから、知らない同士でも声をかけあったりして、楽しい。

オフィイス街に住宅地やショッピングセンター、そして空港や観光地、それぞれに料理の数や質やお値段、並べ方に差があって、それも楽しいものだった。こう書いていると、結構ハイテクなシステムであることに気付くし、それが普及していることに、ブラジルという国の経済発展を感じた。

 

ただし、開いている時間がよくわからない。どうも昼食だけで、夕方には閉まってしまうお店が多かった。とはいえ、正午に開ける店もあれば、閉めるお店もあったから、ほんとうにわからない。

ともかく、この方式は高齢社会にふさわしい。日本でもぜひ取り入れて欲しい。同じようだが、よくあるバイキング方式(日本だけの言い方?)は、若い人に比べて圧倒的に損だという気がして、足が遠くなってしまう。料理の皿を取っていく社員食堂のようなやり方は皿が増えて重たくなるし、なにより美しくない。お値段も計算してもらうまで、わからない。ブラジルでは、長距離バスの休憩所にこの方式があった。

 

今回こちらが利用した中で、いちばんおいしかった観光地の小さなレストラン。ご夫婦でやっていて伝統的な家庭料理のメニューと味が再現されているように思った。昼食で大満足して、夕食を楽しみにまた出かけたら、もう閉まっていた。それを写真で紹介する。

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*主人の前にはかりがあって、重さをはかって料金を支払う。

*料理の下にはお湯がはってあって、それで冷えないようにしていると言う。

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201308~09 ブラジル

3 ラテンアメリカの文化

 

サンパウロのラテンアメリカ記念公園の中に、ラテンアメリカ博物館というのがあり中南米の先住民の文化を一堂に集めている。メキシコ、グアテマラ、ペルーと国別に集められているが、ひとつの大きなホールの中で、それはつながっている。何より透明の床面が大きな地図になっていて、そこにも工芸品が並べられそのつながりがひとつの大きな文化であることを示している。

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同じような工芸の美術館はペルーやボリビアにもあってそれは大変にすばらしかったが、それはインカ、チャンカイ、モチェとそれぞれの文化の違いを強調するものになっていて、歴史の流れを感じさせ、多様性を教えてくれたが、つながりを意識することはなかった。

 

でも誰もが知っていることだが、はるか以前、大陸はつながっていて私たちモンゴロイドの民の一部がアメリカ大陸へと渡って行ったと言う。同じ人種だからごく当然のことだが、中国や日本で独自の文化を創り出したようにこの地でも文化を創り出した。

それは地域的にも歴史的に影響を与えあい、つながっている。それをラテンアメリカの文化として総合させたことは、とても大きい。また歴史的にその文化の爛熟期が、西欧がやって来た時よりはるか以前にあったことを教えてくれる。

私たちはこの地の文化を知らないまま、先住民族の文化として西欧の目を通して理解している。その代表が、映画を通して知ったアメリカインディアンであり、またインカの遺跡ということである。でもその地にも、アジアに唐や魏や宋が、あるいは奈良や平安があったように、独自の文化がはるかに以前から花開いており、その最も華やかな時期はどうやら西欧がやって来る以前にあった。どうも、そういう方が正しいようだ。それは、とても繊細で微妙な面を持っている。

 

そのことを、ごく当然のことに何より驚き、何も知らなかったことを恥じたのであります。それは昨年のペルーでは天野博物館やラファエル博物館などに行ったのに、気付かなかったというお粗末。

そして、そう思ってみると、その伝統がこの地の文化に、いまも生きているのです。西欧やアフリカの黒人の文化まで影響して、この地にしかない文化を生み出しています。美術にも音楽にも。ビラ・ローボスのブラジル風バッハ~

 

 

 

 

4 ビザについて、目の前なのにブラジルには行かない

 

イグアスの滝で出会った学生さんに、明日はブラジルなの?と聞いてみたら、いえ入れないのです。ビザを持っていないからと言う。確かにそれはお金と時間が必要だから、あきらめたのだろう。それはよくわかる。でも、それはとても残念なことだと思った。せっかく数か月を南米で過ごす学生さんに、立ち寄ってもらえないのは両国にとってとても大きな損失だ。ツアーの人たちもアルゼンチン側で半日過ごして、さっさと移動していく。

 

他の国が、どちらかと言えば自然や歴史の遺産を見てもらうことになるのに、ブラジルへの訪問はそれだけでなく、現在のことやこれからのことを考えるヒントを多く提供してくれると思うのだが。

 

なにかの理由があるのだろう。たぶん、観光ビザで日本に入国して不法滞在するブラジルの人が多かったために取られた処置だろうと思うが、それはもっと違う方策で対応したらいいのではないか。ともかく、ほとんどの国と結んでいるような、観光で訪問する人にはビザ不要という条約に変更して欲しいものだ。

 

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旅の記録, 201308~09 ブラジル

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2.オスカー・ニーマイヤーの建築  人間のサイズ

 

昨年末102才で亡くなったオスカー・ニーマイヤーの建築を訪ねるのが今回の旅の目的のメインだったが、あらためて、これが北半球にあったら、もっと高い評価になったに違いないと思う。

でも、南半球にいたから亡くなるまでこのデザインを続けることができたとも言えると、建築が土地に縛られていることを再確認した訳で、建築を語るにはやはり行ってみなければならないようだ。

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ブラジリアの中心部で感じたことは、行く前に思っていたよりはるかにそれは小さいというか高くない。国会議事堂は3階建てだが、車寄せの1階は地下に埋め込まれたようになっていて、歩く人は2階にたどりつく。26階建ての2つ並んだ高層ビルは、シンボルとしての塔の役割がメインで、オフィイスとしてはフロアーが狭く機能的にはとても思えない。周囲のメインの官庁も低く、池を持つ広い庭園に、そこに植えられた緑が、風景にやさしさをもたらしている。

また各地にある彼の建築は、いずれも人間のサイズを忘れていないというか、作品集で見た印象よりはるかに小さく気持ちよく裏切ってくれた。

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ニーマイヤーはコルビジュエの指導によって建築家として認められた。当時のコルビジュエは近代建築の5原則を提唱して、人間のためのデザインを強く意識していた。彼はその教えのままに留まって、以後の作品を作り出した。球体や三角錐など幾何学的な形体の作品も、当初はとても小さくモダニズムそのものだと言える。

一方コルビジュエは、その後自身の論説を裏切るような作品を作り出して(教会を2つ)、人間のサイズとは関係のない、自然の光を取り入れる空間を作り出して、新しい時代を先導した。

以来、北半球の建築は経済の要求するままに、人間のサイズとは関係なくどんどん巨大になっていった。建物だけでなく、その中に入るアートも音楽も大サイズ大編成大音量になっている。そして気付かないまま経済効率が要求する都市や世界を作り出すことになった。そして、人間性もまた変化し、疎外が問題になった。

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しかしこの地では、資本の要求が弱かったためかもしれぬが、人間のサイズを忘れていない趣がある。彼の作品も、晩年にははるかに大きくはなる。それでも幾何学的な形体は縦に伸びるより横へと延び、あるいはうねっていく。あくまで土地と離れることなくつながっているように思える。それが、ニーマイヤーの建築のもっとも大きな特長ではないだろうか。

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とはいえこの国も、現在経済が発展し、ワールドカップやオリンピックを迎えようとしていて、大きな転換の時期を迎えている。

 

人間は望んでいない世界を、なぜか一生懸命に作り上げているのではないだろうか。経済発展とか、国力の高揚とか、愛国とか、そういう目標がどうも間違いの根源のような気がする。

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今回見た、オスカー・ニーマイヤー(1907~2012) の建築 (見学順、数字は建築年)

 

1. サンパウロ     ・コパン アパートメント 建築年1950

2.リオ・セントラル地区・教育保健省  1937~43  (コルビジュエのアシスタントとして)

・ボアビスタ銀行 1946

3. ニテロイ(リオ近郊) ・現代美術館 1993~96

・文化センター・劇場・会議室 2007

4. ペロ・オリゾンチ  ・アパートメント  建築年?

5. ペロ・オリゾンチ・パンプーニャ湖畔/ 教会・スポーツクラブハウス

・カジノ・ダンスホール(現美術館)   1940~43

6.ブラジリア・国会議事堂・大統領府・最高裁判所・大蔵省・外務省   /三権広場     1958~60

7.ブラジリア ・カテドラル・メトロポリターナ 1958IMG_0001

・国立美術館1999~2006 ・国立図書館2007 ・国立劇場1958

8.ブラジリア・チャペル(教会)   1958

9.ブラジリア・大統領官邸   1956~57

10ゴイアニア・文化センター/ギャラリー・音楽ホール・記念館・事務所棟    2006

11.クリチバ   ・オスカー・ニーマイヤー美術館  1967,2002

12.サンパウロ・イビラブエラ公園/     美術館・音楽ホール 1951 (~2005)

13.サンパウロ・ラテンアメリカ記念公園  図書館・博物館・イベントホール・ 1986~92

 

 

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