旅をしている人
田原 晋

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本の旅

日本文化の論点 宇野常寛  ちくま新書

前回の文章で最後に唐突に、内田樹さんを引き合いに出したのは、この本のことを書こうと思っていたからだ。
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最近目覚ましい活動をしている宇野常寛さんが、やっと印刷された文章で自分の立ち位置を紹介した。彼の挑戦的な言説が、なぜ生まれたか、何に向かって怒っているか、ようやく理解できた気がする。
1978年生まれならではの感性であり、分析であると感動した。上の世代としては、それを真面目に受け止めねばならない。最近のこの国は、思考することを放棄する傾向があるのだから、彼のような人が出てくるのは大変にうれしいことだ。

とはいえ疑問もある。ネットでの情報交換が社会を動かす中心的な役割を負うようになることは、類推できるけれど、アニメとAKB(夜の文化)の成功だけで、これまでの文化(昼の文化)と対峙させようというのは、やはり無理がある。
長い人類の歴史の中で生まれた文化に対して、もう少し敬けんであっていいのではないだろうか。あなたの言う昼の文化自体が、すでに平面的な広がりを指向している。音楽も書籍もすでにネット化と切り離せないし、SANAAの建築など平面的な広がりを建築化していると見ることができる。

安藤忠雄にいた二川幸夫のような方が、宇野常寛にはいないのだろうか。それは大沢真幸でも宮台真司でも違う、せめて内田樹か高橋源一郎ではないだろうか。そんなことを思ったりした。

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本の旅

[3日もあれば世界旅行 吉田友和  光文社新書]を読んだ。

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働きながら上手に海外を旅する「週末海外」という3日または4日もあれば海外旅行を楽しめるという提案。ご自身の経験から語られているので、とても説得力があるし、これはとてもいい提案だと感心した。彼は1976年生まれ、こちらの息子の年代だ。

たっぷり時間のある定年のこちらから見ればなんと慌ただしいと思うけれど、ともかく気軽に海外旅行を楽しむことはいいことだし、これが増えることは、長く変わらないこの国のサラリーマンのライフスタイルに変化を与えることになるに違いない。

とはいえ読んでいて、ただ海外に行くことだけが目的のマニアかとちょっと心配になったけれど、現地でマラソンをなさったり植物園を訪ねたりと、しっかり旅をなさっている。だからきっと、予定を決めないで旅をする良さもまたご理解いただけるだろうと思っている。

 

こちらも、早速にそこでご紹介いただいているいくつかのソフトをトライするつもりだ。それにしても、ただ旅をするだけのために、これだけのノウハウが必要というのも、時代は変わったものだ。

 

 

 

つい最近、内田樹さんが朝日新聞に長文の寄稿をなさった(2013年5月8日大阪版)。何時もシャイな発言をなさる氏が、これだけの長い文章をわざわざ投稿なさっということは、これは、どうしても伝えたいと思われたことに違いないが、それは「この国が、資本(企業利益)と言う国を越えたものに売られようとしている」というもので、ほとんど方にはその真意は伝わらなかったのではないかと思うのだが~。

旅をこのようにノウハウづけにすることもまた、内田さんが心配なさったことのひとつなのだろうなだと、思ったりした。

 

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ようこそ 130505

2013年5月4日

旅への思い, 未分類

ようこそ

2013年(平成25年)5月5日、新しいページのスタートです。

あと何度 行けるか世界 もう5月

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こちらにとっては数年前からの念願が、偶然の出来事がきっかけで完成いたしました。

お楽しみいただくと、とてもうれしく思います。

パソコンの具合が悪くなって、持ち込んだ場所が、ホームページの企画もなさっている会社。もちろん企業対象でしたが、社長さんが旅行好きで、特別のご判断をいただきました。

ほんとうに感謝しています。ありがとうございました。

制作会社・株式会社デジプレート     http://www.digiplate.co.jp/

代表取締役 栗山 明久    〒662-0978  西宮市産所町15-13

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旅遊びの合間

[ページ開設だから特別のレポート・1 ]これからは、女が日本を救うのか?

テレビを見ていたら、女性指揮者の三ツ橋敬子さんに作家の石田衣良さんが「女らしい指揮」と言われることをどう思いますかと尋ねた。しばらく考えて「私は女性ですし、そこから離れることはできませんから、そう思ってもらえるとしたら、うれしいです」と答えられた。この答え方は、女子大の学生さんに見られるという発想と同じだ。女らしい女も男らしい女もそこには普通にいるのだから、それでいいという対応だ。

演奏家の世界は、女性の方が多いから「女はこう、男はこう」という思い込みからは遠いし、そういう発想がもともとない。連れ合いがピアニストだったから、そのことはよくわかる。

 

ところで、阿部首相がアベノミクスの延長線上に女性をおいて、「これからは女の方にがんばっていただく」と発言した。待機児童をゼロにするとのことで、女性市長の横浜市の試みたことを全国展開しようということらしいので、ちょっと感心したが、発想は少し違う。もっと働いてもらい、女性取締役が一人はいるようにしてもらうとのことであり、いちばんの問題といえる最低賃金を上げようとか、契約社員という身分を改定しようという発想はまったくない。

故郷に「男なら」という民謡のあるお国ならではの発想のようだ。よく憶えていないけれど「女でも お槍かついで出陣しよう ぴぃひゃら ひゃらり~」というような歌詞でした。

 

その国会中継を見ていたら、そこにいる女性議員の皆さまにはひとつのタイプが感じられた。妙に女性らしいのだ、衣服も表情も言動も、別に媚びているのではないが、女性であることを目立つようにしていらっしゃる。男性の議員の皆さまは、女性とはそういうものだと思っていらっしゃるのかもしれない。そういえば、取り囲む女性アナウンサーもどこか女や若さを目立たせていらっしゃる?そういう方がまだいらっしゃるように思う(いえ、ほとんどまるで知らないことですが)

 

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旅遊びの合間

[ページ開設だから特別のレポート・2 ]生活を、どうしようと思っているのだろう?

 

レポート・1で紹介した新しい?傾向はすでに庶民の手の届く場所でも始まっているようで、スタートした大阪駅北のフロントには、先端技術の展示場とのこと。でもそこに繰り広げられる世界は、テレビで見るかぎり、現在の私たちの生活とどこか違っているような気がする。こちらの生活が時代遅れなのはわかるが、私の生活をどう伸ばしてもそこにはつながりそうにない。いや、つながりたくない。

 

例えば、そこで作られている野菜はどう見てもおいしいとは思えない。それは2流の代替品の野菜なのに、誰もそう思っていないようだ。

またショウルームで展示されている家電製品の対象は変わらず専業主婦で、ネットの利用とかで人とのつながりを拒否する機能が満載されているのに、それを変だと思う人もいないようだ。その住まいも15年後40年後~の変化を考えると、いま何とかしたいいえ何とかせざるを得ないと苦闘されている新しい傾向やスタイルがほとんど入ってくると思うのに、もったいないことだ。

言ってしまえば、普通の人が過ごしている毎日の生活を、知ろうともしない人の発想のようだ。生活がどうなるのがいいか、どうしたいか、そちらから考える姿勢が感じられない。

そこにそびえるほとんどが空いたままになるビルは、野菜工場になることが期待されているのだろうか。専門家という職種の人がお考えになることが、どうもわからない。

 

そんな時、朝日のトップ記事で、ユニクロの柳井会長が正社員の給料を世界統一にしていくとの発言。でもそのどこにも、「そもそも給料は何のためにあるのか~最低どれだけなければ生活できないのではないか」というような発想は皆無であった。記者の人にせめて「人は何のために働くのか」と尋ねて欲しかった。

 

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