旅をしている人
田原 晋

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旅遊びの合間 の記事一覧

旅遊びの合間

なんとなく本屋をのぞいていて、上記の本を求めました。1964年生まれの映像作家、こちらは存じ上げなかったが有名な方。その旅とても忙しいものだが、現在の技術を使いこなすとそういうものになるのかと、興味深く拝見しました、そこでその紹介を。

まず旅のことを書こうとすると、どなたもお気付きになるこの国の後進性について。出国は13位、受け入れは30位。鎖国的な政策が、国際競争力の低下と、高齢化による労働力の低下を招いたと言う。さらに出国を人口あたりで見ると日本は0.14回、台湾0.23ニュージーランド0.33。イギリスは1.15回で第1位。しかも若者が減って、老人が増えている。この本では触れていないが、日本の海外旅行の大半がツアーだから、参考にする人は彼が考えているよりはるかに少なくなる。
で最初はガイドブックについて、世界がいかに充実しているかが例を上げて紹介される。それはこちらの旅でも同じことで、仕方なしにロンリープラネットを求めることが少なくない。

ただこれからは大きく違う。こちらは荷物を持って目的地を通過していくがそれは昔風で、今は拠点都市(ハブ)に荷物を預け、手荷物だけで旅行するのが主流になっているらしい。格安航空会社LCC(Low Cost Carrier)ができて、そちらがはるかに安く快適に旅行できると、驚くような実例を上げてみせてくれる。買い物、観光、農家に泊まるアグリツーリズム、そしてレストランなど。
そのためには情報を入手しなければならないが、それはインターネットを使いこなす。その使い方をいろいろ教えてくれる。旅の間も、パソコンは欠かせないことになるが、それと同時に携帯電話もナビゲーターとして使う。その都市で求めて使いこなすと、いかに安く便利であるかが教えられる。
そして最後に、持参する荷物(七つ道具)とパッキングの方法。これは見事だと感心し、真似しようと思うことも少なくない。といって洗たくはしないという彼の方針と、こちらはあまりに違う。

考えてみれば、彼とは時間の持ち具合が決定的に違っているし、またこちらが旅をするのは彼が活用する現代の技術から離れることでもあるのだから、それは仕方のないことだろう。
こちらは気持ちの良さそうなカフェでただぼんやりと坐るために旅をしているみたいなものだし、彼のようにやるべきベスト10を決めてあれもこれもと手に入れるのとははるかに遠い。持ち帰る物にしても、求めてきたCDは情報なしのものが多くてパソコンでは聴きにくいものになってしまう。*
ひとつだけ、このところ世界のハブといわれる空港のソファで寝ている人が結構いて、なぜだろうと思っていたのだが、その理由がなんとなくわかったのはうれしかった。
ま、それぞれにいろんな旅の仕方があることが豊かなことで、彼もそれをすすめている。旅先で会えばいろんな話ができて、結構話が合うだろうと思う。

*わかりにくくてゴメンナサイ。私家版のCDは、それで一括されてしまうので、トラックの番号で並べられてしまう。例えば、こちらのパソコンでは、中国の民謡、クロアチアの音楽祭入賞曲、ロマの演奏が番号順に1曲づつ並んで、どうも聴く気になれない。

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旅遊びの合間

 ハイチの地震から、もう2週間がたちました。
現状が報告されるにつれ、大変な惨状であることが報告されていますが、
この国の栄光と不幸の歴史について、解説されないことに大きな不満を覚えています。
そこで、遅ればせながら~

  1804年フランスから独立。1492年コロンブス到着後スペイン領となったが、1697年フランスに割譲されサン・ドマングと命名され、18世紀には黒人奴隷制によるプランテーションが発展して砂糖、コーヒーの最大の生産地になって「カリブ海の真珠」と呼ばれた。
1791年、黒人が一斉蜂起し、12年に及ぶ激しい戦いの中で奴隷解放を実現。さらにナポレオンの派遣した軍隊を破って独立を達成した。ラテンアメリカで最初の独立国で、史上最初の黒人共和国である。
  ところがその後、諸外国からの認定は難渋をきわめた。アメリカ合衆国の承認(黒人奴隷制度を温存していた)は、1862年。ラテンアメリカ諸国は無視、フランスは1824年、大変な賠償金を要求して(1億5000万フラン・ハイチの年歳入額の10年分、完了したのは約60年後の1883年)やっと承認。それに続いてイギリス、デンマーク、オランダ、スウェーデンが承認した。
(以上、「植民地責任」論 編者・永原陽子 青木書店、第5章 ハイチによる「返還と補償」の要求 浜忠雄より)

  この国が、カリブ海諸国で最貧国となったのは、以上の経緯さらにその後の国の体制がある。「植民地責任」という追求もあるのだが、それはこれからの問題だ。

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旅遊びの合間

あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
  本日8日、今年最初の「六甲~有馬温泉」のひとりハイキング、途中会った数人もみなさん「おひとりさま」ばかり、数年前はグループばかりだったのに様代わりです。山頂では少しですが雪が残っていて粉雪も舞ったりしました。それだけに、有馬温泉はゴクラクゴクラク、少年が塀越しのお姉ちゃんに声をかけていたので、どこから来たのと尋ねたら鎌倉からとのことでした。
  例年なら、そろそろ旅の準備をする頃ですが、今年はボランティア劇団の公演があって2~3月に行けなくなってしまいました。4月に行けるかどうか~。地中海のシリーズは第3回、サルジニア島からコルシカ島、ジェノバは決まっているのですが、その先をどうするか思案しています。ヴェネチアの安藤忠雄さんの美術館の評判がよいので寄ろうと思っていたら、秋の建築展のディレクターを妹島和世さんがなさるそうで、ならその時にするか迷うところです。
  中国の旅をどう展開するか。国内にも新しい美術館があちこちにできています。「喋れなくても旅はできる」と大見得をきっていますが、結局のところ行きやすいところにしか行っていない。行きたい行きたいと思いながら、南アメリカもアフリカも行けないでいる。だんだん残り少なくなっているのに、結局おくびょうで慎重で絶対安全という場所しか行かないのだから、日本人だなぁと思うことしきりです。

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旅遊びの合間

上野千鶴子さんが「男おひとりさま道」という本を出されました。その中に、なんと、田原晋がなぜか本名で出ています。詳しくはこのブログにリンクしている「劇団シルバームーン」を見てください。
 ただその中に、こちらの「ひとり旅」のことにも触れておられて、とくに「ひとり旅」のいちばんの特長(価値)を情報の集まり方が違うと言われています。これは上野さんらしいご指摘だと感心しましたので、このブログでご紹介します。
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 ご興味のある方は、本屋さんでも立ち読みしてください。後ろの方で、旅のことは1ページくらいですから、すぐに読めると思います。もちろん買っていただくと最高ではありますが~。

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旅遊びの合間

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今年はメンデルスゾーンの記念年でその演奏会が多くありましたが、びわ湖ホールで室内楽プロジェクトが3回のシリーズで行われ9月23日、3回目が無事に終了しました。いえ亡くなった連れ合いのお弟子さんが音楽学者(小石かつらさん)になって、このシリーズを企画実行したので聴くことになりました。
(その受け売りですが)メンデルスゾーンはユダヤ人であったため一時評価が低くなり、研究されなくなるばかりか楽譜も散逸したりしたそうですが、現在につながる演奏会という形式(プログラムの構成を含めて)を作り出し、また指揮者という役割(前に立って全体を演出する)を独創したことなど、もっと評価されていい存在です。また室内楽を多く作曲していたり、オーケストラ作品を数名で演奏できるように編曲していたりする(当時はそういう要求が多かった)ので、あまり演奏されないそれらを3回に分けて聴くことができました。
すると代表曲も聴きたくなり、真夏の夜の夢序曲やメンコン(ヴァイオリン協奏曲)、交響曲イタリアと並んだコンサートに出かけたりもして、すっかり記念イヤーを楽しむことになりました。

ところで3回のシリーズでは、コンサートの始まる前40分ほど、彼女が舞台の袖でパソコンも駆使して、作曲家のことや作品のことなどをいろいろ話してくれました。これが大変に新鮮で楽しいものでした。最近は指揮者が始まる前に話しをすることが時々ありますが、それよりもはるかに内容があり、曲への理解も深くなりました。
これはコンサートの新しい形式だと、それがメンデルスゾーンの企画で生まれたことはとても意味があるのではないかと思ったりしました。やがてそれぞれのオーケストラの定期演奏会は、この形式になるのではないか。小さな文字のプログラムをくばるより、はるかにおしゃれで気持ちがいいと、未来のことを思ったりしました。(これは大強調しなければなりません)

*写真は演奏会のプログラム。写真はいずれも彼の肖像(若いのは12才の時)。

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